【熊本県】源平ロマンス 玉虫御前を追って②/八代市 五家荘平家の里

熊本県の中央部から宮崎県との県境まで広がる山々。八代市泉村。人里離れた静かな山奥にある泉村周辺は、昔から壇ノ浦の戦いで敗れた平家の落人たちが隠れ住んだと言われてた「五家荘」と言われる地域があります。この地域にも玉虫御前の伝説が語られています。

「扇の的伝説」その①を読まれてない方はその①

五家荘とは

 熊本県の中央部「九州中央山地国定公園」地域にある久連子、椎原、仁田尾、葉木、樅木の五つの集落を総称して「五家荘」と言います。昔は五ヶ所の荘園「五箇荘」と呼ばれていました。

延長元年(923)に菅原道眞公の兄弟が藤原一族の追討を逃れ五家荘へ入ったとされ、その後の文治元年(1185)壇ノ浦の戦いに敗れた平家一門も五家荘へ逃げ込んだとされています。「九州最後の秘境」「平家落人伝説」その地へ行って見ましょう。

熊本方面から向かうルートで行くと、美里町の県道218号線からT字路になっている三和交差点から県道455号線へ入ります。コンビニが目印です。ここから先も長い道のりですので、あらかじめ燃料の給油をお勧めします。

この県道455号線は山の山頂へ向かう峠道のため、多くの急カーブと勾配のきつい坂が待っています。車一台分ほどの細い道が多数ありますので、車はほとんど通りませんが注意が必要です。

こちらは途中にある二本杉峠山頂の展望所です。遠くに金峰山と熊本市街が見渡せます。すぐ近くに八代市方面へのルートへの分岐点があり、お食事処があります。

平家の里へさらに進むと歩行者専用の「梅の木公園轟吊橋」が見えてきます。まさに秘境にある吊り橋で長さは116mあります。身震いする高さがありますが、秋は紅葉の絶景スポットです。

吊る為のケーブルが無くて変わった吊り橋です。星長い鋼材を向こう岸へ渡し、その上に厚さ20cmコンクリートを敷いてありますので、一般の吊り橋のような歩行中の揺れがありません。渡った先には、さら橋があり滝を見学できます。さて、渡らずに先を急ぎます。

もう一つの分岐点となる藁木のT字路交差点。左へ行くと「キャンプ場・縦木の滝・平家の里」、右へ行くと「せんだん轟の滝」。左へ曲がり5キロ先に平家の里があります。

平家の里

到着です。平家の落人たちが遺した伝統文化を遺産とし広く伝えるために八代市が興した施設で、入場料は大人410円(小人300円)小人200円、定休日は火曜日。営業時間は9:00〜17:30(12月〜3月は9:00〜17:00)。食事処もあるようですが休業していました。こういう秘境にあるため、名前は知っていますが、行った県民は少ないと思います。

平日でしたが、私たち以外に訪れていたのは2組ほどでした。施設としては、他には藁葺き屋根の古民家が並んでいて昔使っていた農機具などが展示されています。ただ道の駅のような施設はありません。山奥の神社へ参拝するような気分で来られた方がいいかと思います。

綺麗な朱色の神社風の平家落人伝説に関する「平家の館」があり、無料で入れます。

入り口には、立派な大鎧が展示されています。大鎧とは平安時代から室町時代まで使用されていた防具で、身を守る役割だけではなく優美さも備え、主に騎馬戦に適した鎧です。

平家の館らしく平清盛公の像がどーんと中央にあり、わかりやすく解説してあります。

平家落人の守り神 鬼山御前

「平家落人の守り神 鬼山御前」の大きなタペストリーがあります。玉虫御前の事ですが、今回はこの源平ロマンス

 「玉虫御前は、源平合戦の後に「鬼山」と名前を変え、岩奥に落ち延び暮らしていました。そこへ平家の落人追討の命を受けた源氏の武士たちが通りかかります。その中には「那須与一の子、小太郎完治」がおり、五家荘の方へ向かっている途中でした。

「あの山中にはきっと平家の人たちがいるかも」と思った玉虫は、小太郎たちの後を追いかけました。時間を稼ごうと手前の里で付き添いながらお世話をしますが、そのうちお互い心を惹かれ結ばれ一緒に暮らしました。

落人の暮らしは息を潜めるような毎日でしたが、二人は子供にも恵まれ乳の出のよかった鬼山御前は近所の子供達にも与えたりして末長く幸せに暮らしました。」

この源平ロマンスに因み「平家落人の守り神 縁結びの神 鬼山御前」として神殿造りの華やかな平家の館の最深部には「縁結び祈願」ができる社があります。

横の箱に入っている二本の水引きを買い(1本100円)、紙面を見ながら結んで祈願するようになっています。(結び方難しいです)。

ただ、箱に水引きが無かったり、紅・白の白だけだったりしますので、入口の料金所でも、お守りと共に販売されています。

①とは食い違う所がありますが、源平ロマンを感じさせてくれました。

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