【三重県】忍者が修行した滝/名張市 赤目四十八滝

 三重県の名物は沢山ありますが、その中でも歴史的に知名度が高い「伊賀忍者」。以前ご紹介した伊賀上野城でも登場した忍者たち。その忍者たち現役の頃に修行をしていた場所が名張市赤目町にあります。それが「赤目四十八滝」。現在は、涼める避暑地として、気軽に登山できる観光地として親しまれています。

赤目四十八滝の登山入口です。こちらで入山料大人500円(小・中学生250円)を払い、中へ進みます。オオサンショウウオのキャラがいますが、この建物の中には、ミニ水族館があり、オオサンショウウオたちが生きたまま展示されています。

オオサンショウウオの解説図。約3億年前から両生類へと進化の過程が図や標本など展示されています。さらに出口から出ていざ参らん!

夜間はライトアップが行われていて、この回廊のような橋が。川の上を歩くように設置されていて、夜は幻想的な風景が広がります。

紅葉が積もり、大きな険しい岩がゴロゴロと転がっています。この上を飛び越えていたのでしょうか。

 「四十八滝」とありますが、48もの滝があるのではなく、それだけ多くの滝があるという意味で、「赤目」とは「役の小角:えんのおづぬ」(役行者)が修行中、赤い目の牛に乗った不動明王が出現したという伝承から赤い目の牛の像もあります。

江戸時代、滝の入口の延寿院にあった赤い目の不動尊が由来、阿弥陀の滝から転じて赤目になったなどの説があります。全部回ると3時間かかると言われていますが、石段や急坂も待っていますので、体力とゆとりを持ったペース配分が必要です。

遊歩道を歩くと次から次へと滝が現れます。こちらは「不動滝」。滝参りといって地元の人が訪れる滝です。不動明王にちなんで命名されました。不動橋から眺められます。

数カ所の滝を過ぎると、巨大な岩が川に横たわっています。ここに座って忍者たちが休憩してたのかもしれません。大きさが伝わりにくいですが

「八畳岩」と表記ありました。これで大体の大きさがわかると思います。マップを見てわかる通り、この場所は登山口に近い場所で、まだまだ先があります。休憩をしながら上まで行きたいのですが、帰りのバスの時間が迫っていたのでこの辺で引き返しました。

こちらは「千手滝」。千手観音からきています。深く無いので、よくメディアの撮影が行われてたりします。この日も撮影の人が来ていました。忍者や僧たちが、滝の行をしたり水の上を歩いていたんでしょうか。一説にはあの大盗賊「石川五右衛門」もここで修行したと言われています。いろんな妄想が広がります。

石川五右衛門伝説

歌舞伎や浄瑠璃、講談の世界で有名な「石川五右衛門」。「大盗賊だが義賊」「釜茹での刑」「忍者だった」という断片的な記憶がありますが、どんな人物だったのでしょう。謎が多く、情報が少ないですが、その物語。

生い立ち

元治4年(1558)ごろの安土桃山時代、河内国石川村(大阪の南東部)の石川文大夫の子として生まれ、幼名を五郎吉といいました。少年の頃は才知に長けていましたが、村の悪童と繋がった頃より悪事を重ね、村民から嫌われる存在に。十四、十五才の時に両親が亡くなると、十七才にして故郷の村を出て名張(なばり)へ向かいます。

近畿日本鉄道 名張駅

 赤目口の隣の近鉄名張駅、かつてあった名張城の名残りを残す街並みが広がります。江戸川乱歩が誕生した地でもあり駅前に銅像が建っています。

名張といえば伊賀忍者の中心地。この名張で五右衛門は臨寛という僧に出会い方術(呪術)を学びます。十九になると名を「石川文吾」と改め、伊賀国交野で地侍の棟梁であり上忍でもある百地三大夫に仕え忍者修行をします。その後京へ移り、太閤秀吉公が建立した大仏殿の近くに住み、名を「石川五右衛門」へ改名しました。

大盗賊と言われるまで

 石川五右衛門は大盗賊と言われる一方で、義賊と言われるのは、相手が町人ではなく主にお金持ちの大名家ばかりを狙って盗みを働いていたせいですが、どんな事をやっていたのでしょう。「太閤秀吉公の甥である秀次公の家臣、前田但馬守の屋敷へ部下と共に押し込み、奥方を人質に三万両をおどしとった」「美濃大垣城主、伊藤長門守の国政不行届きを理由に伊藤家の家老である信楽杢之進から莫大なワイロを巻き上げた。江州水口城主長束家にも同様に。はたまた美濃岩村城では、お家の内紛に乗じて二万両をせしめた。」など荒稼ぎの数々。でも確かに大名ばかりです。でもやっぱり悪い事はいけません。(写真は美濃大垣城)

最後の盗みと釜茹での刑

 その石川五右衛門が、最後に捕まった場所は、なんと伏見城にある太閤秀吉公の寝室。お城で酒宴があった夜、人の出入りが活発な時間を狙い、まんまと秀吉公の寝室近くに潜みました。午前零時頃、秀吉公の枕元にそっと近づいた時、そばに飾られていた千鳥の香炉が突然「チョロ!チョロ!」と鳴りはじめ、駆けつけた家臣たちによって御用となりました。「秀吉公の命を狙った」「千鳥の香炉を狙った」「宝刀が目当て」色々説はあります。その後、秀吉公の命で京都三条河原で釜茹での刑にされました。

石川五右衛門

春の眺めを価千金とは 小さな例え 

五右衛門がためには この価万両 もはや日も西に傾き 

まことに春の夕暮の桜も ひとしおひとしお はてうららかな眺めじゃなぁ

南禅寺山門で太い煙管を咥えながら四方を見渡し登場する歌舞伎のワンシーンです。ちなみに京都にある南禅寺の山門ですが、600円を払えば二階に登れ、京都の街を眺めることができます。

周辺の施設

赤目自然歴史博物館

登山口の手前にある博物館。大きくはありませんが、赤目の自然や歴史が展示されています。そのほかにショップやカフェもあり、外を眺めながらコーヒが飲めます。入館無料です。

お食事処 忍者れすとらん

このネーミングは立ち寄りたくなりますね。どんな仕掛けが?と思ってしまいますが普通のレストランでした^^。推しメニューを頼んでみました。

伊賀忍者定食1650円。伊賀牛鍋、田楽、伊賀米のご飯とお漬物。お肉も田楽も柔らかくてとても美味しかったです。そのほかにも、伊賀牛汁御膳や牛丼もありました。

へこきまんじゅう

笑ってしまうネーミングですが、ご想像通りお芋を使ったお饅頭です。色々バリエーションがあってイチゴ味やカスタード、チョコ味なんかもあったりします。お土産に買って帰りたい名物です。

草餅

こちらの古くからの名物である「草餅とお茶のセット」500円。素朴な味わいで気分を落ち着かせてくれます。手前と奥の二箇所に駐車場がありますが、手前の駐車場にある牛汁屋さんで召し上がれます。紅葉が綺麗な時期で、とても癒されました。

忍者テイスト

飛び出し注意も可愛い忍者さんです。近くには「忍者の森」という、忍者の修行を体験できる子供向きの施設もあったようでしたがコロナの影響で閉まっていました。

観光地らしい雰囲気です。週末はライトアップもあるそうなので駐車場が満杯になるみたいです。

近畿日本鉄道 赤目口駅

四十八滝の滝は、ここからバスで20分ほどの所にあり山道を登って行きます。着く途中に温泉地がありました。駅の真向かいには和食のお店もあります。

赤目滝への時刻表です。あまり便がありません。夕方4:30〜5:00で登山口が営業終了しますので早めのバスがいいです。

こちらは、赤目滝から帰りのバス停の時刻表です。夜のバスは無いのでタクシーになります。

 他にも、天正伊賀の乱にゆかりのある神社やお寺がたくさんあります。赤目滝や名張駅周辺にも宿泊施設があります。色々散策できそうです。

Visited 1 times, 1 visit(s) today