元寇の記憶が残る島/長崎県壱岐島②

 鎌倉時代に起こった歴史的な出来事「元寇」。弘安四年(1281)、文永の役の七年後に再び元・蒙古・高麗軍が襲来した「弘安の役」。前回は島の下半分を巡りましたが、今回は島の上半分の史跡を巡る旅です。次に訪れたのは、壱岐島の東側の芦辺港。

近くにショッピングセンターもあり、買い物や休憩に便利な場所です。

マップでは島の右上に赤く【現在地】と書いてある場所です。

元寇記念

 芦辺港駐車場にある「元寇記念碑」。勇ましい騎馬像は少弐資時(すけとき)公。鎌倉時代、壱岐と対馬は太宰府の長官だった少弐氏が守護代として治めていました。資時公は当時十九歳ながら一軍の将として蒙古軍に立ち向かいましたが、大激戦の果てに力尽き倒れました。襲来の後、少弐氏は徐々に弱体化し松浦党の勢力が伸びて行きます。この記念碑の案内板には音声ガイドがあり、ボタンを押して聴くことが出来ます。

弘安の役(襲来二回目)

●壱岐・対馬国定公園 少弐公園

 芦辺港から車で数分の場所、芦辺町箱崎の海岸にある「少弐公園」。玄界灘が見渡せる公園でキャンプ場にもなってます。トイレも駐車場もあり、訪問した時も家族連れがキャンプをされてました。のどかな風景で癒されます。なぜ少弐公園という名かと言いますと

少弐神社・少弐資時公の墓所

 公園駐車場の横の石段から林の中へ進み鳥居をくぐった先に「少弐資時公の墓所」があるからです。周囲を壁で囲んだ石垣の場所がお墓です。

弘安の役古戦場跡

 墓所からさらに進むと「弘安の役古戦場跡」の碑があります。約二キロに渡る瀬戸浦と呼ばれるこの一帯は、博多への最短ルートで渡れる重要な要所なので大規模に襲われました。当時、鎮西奉行だった少弐経資源(つねすけ)公は、すぐさま奪還するべく自ら陣頭指揮に立ち、博多警護の薩摩・筑前・筑後・肥前・肥後の鎌倉武士団と共に壱岐へ向かい、この海岸にて激戦が展開されました。

元寇千人塚

勝本港より少し離れた所にある野球グラウンドの近くにある「元寇千人塚」

そこから眺める景色です。まるで南国の海のように何も無く美しく綺麗な眺めです。その反面、防人がいないと危険でもありますね。

壱岐神社

 さらにその奥に御鎮座されている白く美しい鳥居の「壱岐神社」。御祭神は少弐経資公の三男、少弐資時公。当時の蒙古軍が使用していた「元寇碇石」や資時公の肖像画なども見ることができます。

「元寇碇石」とは、蒙古軍が使っていた船の碇として使っていた石のことです。御朱印もありました。三種類「龍蛇神社」「壱岐神社」「壱岐護国神社」の御朱印がいただけます。(書き置き)「龍蛇神社」とは少弐公園の岸壁の先に御鎮座されている小さな神社です。

 対馬・壱岐を侵して六月初旬に博多湾に来襲した元軍(東路軍)は、鎌倉幕府の守備軍との間で激戦を展開し、一時は水城(みずき:福岡市大野城市)にまで迫る勢いでしたが、予想以上の反撃に遭い、江南軍の遅れもあって六月中旬には肥前鷹島まで退きました。

その他の観光スポット

●月讀神社

 全国の月讀神社の総本社であり、古神道発祥の地でもある「月讀神社」。目の前に駐車場もあり、社務所でお守りや御朱印もいただけます。島の中央付近にありますので、ルートに入れやすいです。

●聖母宮

箱崎にあるこちらも古い神社「聖母宮」。御祭神は神功皇后、仲哀天皇、応神天皇、住吉大神。配祀:天照大神。こちらには、加藤清正公が寄進された門(写真)や

石垣が現在も当時の姿で残されています。その他、南国の巨大な一枚貝の殻を使った手水舎もあります。

最近まで日本一だったとか。お時間があれば宮司様がガイドしてくださります。ちなみに福岡市に筥崎宮という神社がありますが、こちらの神社名から移されたもので、その後こちらの神社名は「聖母宮」になったそうです。

御朱印も多数いただけます。

勝本城

 勝本にある勝本城跡。豊臣秀吉公が朝鮮出兵の際に加藤清正公に築かせたお城です。現在は石垣が残るだけですが、本丸後には展望所もあります。通りの道から数分で着き、駐車場とトイレもあります。

壱岐イルカパーク&リゾート

勝本港の近くには、イルカパーク&リゾートがあり、イルカのエサやり体験やトレーニング風景を間近で見られます。入園料は1000円ぐらいだったと思います。

入江の中にある屋外の屋外水族館のような感じ。船で行くクルージングよりは確実にイルカに会えます。人も少ないので静かで安心です。エサの小魚(1尾100円)を買ってイルカへ食べさせたりできます。

こちらは、カフェイチ推しのマンゴーかき氷です。その他にイルカのぬいぐるみなどグッズも販売されていました。

 帰りは九州郵船の大型カーフェリーに乗船しました。17:45分に郷ノ浦港を出航し、20:30頃に博多港へ着きます。こちらは二等指定席です。三等室とは違い、少人数でゆっくり静かに横になれるスタイルです。テレビがうるさいですが・・・。こちらは行きのジェットフォイルとは違い低速なので航行中ウロウロできます。スロットゲームコーナーもありました。御船印も販売されていました。

バスに乗って博多駅へ向かえます。思っていたより史跡も多くて、まだまだ巡りたい所が沢山ありました。また行きたいと思います。

読み返し方はその①

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