【熊本県】九州ドライブの聖地と歴史の道/阿蘇市 大観峰

九州の観光地人気ランキングで1・2位を争う「阿蘇山」。それを囲むようにそびえる外輪山上の大観峰から見下ろす壮大なパノラマは今も昔も人の心を魅了してやみません。今回は参勤交代でも使用された歴史の道二重峠ルート(通称ミルクロード)を通って大観峰を目指しながら、その周辺の史跡に立ち寄りました。初めて行かれる方の参考になればと思います。

歴史の道 二重峠ミルクロードルート

阿蘇大観峰を目指すにはいつくかルートがありますが、熊本市→ミルクロード県道339号線→県道12号線号線の「肥後熊本藩の参勤交代にも使われた二重峠ルート」(黄色いライン)を利用します。

ミルクロードへ行く道は数カ所ありますが、旧57号線もしくは菊陽バイパスの先から阿蘇復旧道路へ向かえます。

清正公道公園

大観峰へ豊後街道に沿って進むと、道沿いに「清正公道公園」という小さな休憩所があります。トイレ以外特に何もありませんが、参勤交代の際などに使われた道を史跡として復元されています。

途中に交差する阿蘇復旧道路(125cc以下通行禁止の専用道路)には入らずに、そのまままっすぐ県道339号線を通ります。

しばらくは、緩やか登り坂で急カーブが続きます。下り坂となる対向車は高速ですので注意です。ただ、バイパスのような信号や渋滞は殆どありませんのでストレスは感じません。

歴史の道 豊後街道 二重峠石畳

森の中の道を抜けると、緑一色の草原が視界に広がります。その手前右側に「歴史の道 豊後街道 二重峠石畳」という看板と駐車スペースが見えてきます。多くの人は、「?」程度で通り過ぎると思います。

その名の通り、ここは豊後街道の石畳が山の下まで続いています。古くから肥後と豊後(鶴崎港)との通り道で、参勤交代でも利用された石畳ロード。

参勤交代に利用された豊後街道(肥後街道)は、熊本城からこの場所を通り内牧に下リた後、大分の久住→野津原→鶴崎までの全長31里(124km)4泊5日のコース。藩主たちは、鶴崎港から船で大坂城や江戸へ向かいました。写真:鶴崎(大分)

石畳の道は、ここから下の方まで続いてます。先人たちはここまで峠を登り、この風景を眺めながら内牧の方へ降りて行きました。歴史ロマンを感じる事ができます。

二重峠を越え大観峰へまっすぐ向かいますが、ここから50キロ制限になります。飛ばしたい気持ちになりますが、休日などは白バイさんたちがおられますので「あれ?ここ何キロだっけ?」とならない様に念のため。日によって横風が強い時もありますので事故に遭わないようご注意ください。

兜岩展望所

しばらく走ると「兜岩展望所」という看板が右手に見えてきます。こちらもビューポイントの一つ。

展望所からは阿蘇の山々と外輪山、盆地の田畑が一望できます。宮崎方面まで見えるので初日の出を見に訪れる人もおられます。

道を挟んだ向かい側にトイレ、喫煙所、レストランやアメリカン雑貨、お土産品を扱うお店がありますので、行き帰りに休憩するにはうってつけです。取り扱っている商品のお値段もお手頃価格です。

クロワッサンやソフトクリームなどもあります。営業時間は9:30〜17:00まで。天候が悪い日は店休日のようです。

ちなみにショップの推し「モコモコソフト」(太くて少々傾けても崩れ落ちません)300円。ステッカー(防水ステッカー420円、マグネットタイプ500円)。

シーズン(7月上旬から10月末)には「ススキ迷路」が誕生する場所でも知られています。

「1ヘクタールの草原を利用して作る大変大掛かりなもので、長さ300mのものと150mのもの2つがある。」そうです。

北山展望所

次に現れるのは、ちょうど菊池方面と日田方面からの道との交差点にある「西湯浦園地北山」

最近「阿蘇北山バイ・カー神社」が御鎮座されてようです。

こちらはレストラン兼展望所になっています。自販機やソフトクリームなども販売しています。

こちらのレストランの営業時間は10:00〜17:00まで(ラストオーダー16:00)、阿蘇の赤牛を使ったメニューが並んでいます。少々お高めです。

レストランの中を通らなくても、裏の展望所にて休憩できます。

とてもいい眺めです。何やらハートマークの丘が見えますね。

以前は無かったのですが、あそこに行くには300円を建物内の受付に払う(小学生以下無料)と行けるようです。ただ、16:00ごろから北山展望所の入口は閉店・閉鎖の準備が始まりますのでご注意を。

「西湯浦園地北山」右折して県道12号線に入ります。

阿蘇スカイライン展望所

途中の右側に砂利を敷き詰められた「阿蘇スカイライン展望所」があります。こちらもビューポイントにはお店も無い展望所です。

県道45号線阿蘇公園菊池線を通り、もうすぐ大観峰です。天気の良い日は放牧された赤牛たちが見られることがあります。

大観峰への入口に来ました。ここで右折すると阿蘇大観峰に到着です。

阿蘇大観峰

有名な観光地なので駐車場は混雑しています。ゲートを通った先には、食堂・お土産品・トイレ・喫煙所があります。バイクの方はまっすぐお店の方へ向かってください。

お店の左側のスペースにが「バイク専用駐車場」になっています。トイレや喫煙所も近くにあり便利です。

手前の駐車場にあるフォトスポットです。晴れた日はとても綺麗な写真が撮れます。展望できる場所は他にもあります。ロードバイクを停めて記念撮影もできます。

お店の建物の左横、バイク駐車スペース付近から「展望所」へ向かう道があります。

距離にして200mぐらいでしょうか。奥に見えるのが展望所となっています。やはり阿蘇のイメージといえば、モコモコした一面緑の草原ですよね。

展望台には大きな石碑が建っています。

望遠鏡が2つほどあります。阿蘇の雄大な景色が楽しめます。

天気が良い日はパラグライダータンデムフライト体験も出来るようです。

建物の中にはお手軽な食堂もあります。観光地あるあるですが、夕方前には売り切れ閉店しますのでご注意を。

帰りもお気をつけて。

内牧温泉(蛇足)

大観峰を訪れた後、引き返したり、各地へ向かわれる人も多いでしょう。大観峰から阿蘇盆地へ降りて内牧へ下りるルートもついでに。

大観峰から真下へ赤い線で描いてある道を通ると「内牧温泉」があります。そこから阿蘇一宮へも向かえます。内牧は、豊後街道を通る旅人が疲れをとっていいた昔ながらの温泉地です。

勝海舟・坂本龍馬の歩いた豊後街道

「元治元年(1864)に坂本龍馬などを連れて佐賀関に上陸し、長崎へと旅しました。その道中に、ここ内牧へ立ち寄り、勝海舟が左の日記を遺しています。文久四年二月十九日 山上より阿蘇嶽に並び立たる高峰あり。猫が嶽と云う。人跡至らず。山の頂上、大石、剣の如く成るもの直立す。妙義山に比すれば、更に一層の奇峰なり。内の牧に宿す。・・・」最初に行った二重峠の石畳と繋がる道です。

内牧城跡

阿蘇体育館の隣には、かつて「内牧城」というお城がありました。内牧城は天文年間(1532〜1555)の頃に築城されたと伝えられ天正十四年(1586)の薩摩の島津氏による阿蘇侵攻で落城したと伝えられています。その後、豊臣秀吉の天下統一で加藤清正が肥後に入国した。

家臣の加藤右馬允可重を初代とした城代3人が赴任しました。後の八代城の城代となる加藤正方公もこちらの城代でした。江戸幕府が成立すると、元和元年の一国一城令が出され内牧城は廃城となりました。浄信寺の山門と明行寺の門は廃城の際に城門の一部を移したものと伝えられています。

加藤家にかわり肥後藩主となった細川家は、本丸跡に参勤交代で宿泊するための内牧御茶屋を設置しました。維新後の明治二年(1869)には手水会所もお茶屋に移されましたが、二年後には廃藩置県が実施され細川藩の施設としての役割を終えました。

現在は、本丸跡も二の丸には「阿蘇市阿蘇体育館」「阿蘇中央公園」として市民の憩いの場所になっています。

公園のすぐ隣には、「阿蘇内牧ファミリーパークあそ・ビバ」という施設があります。

どうか阿蘇を満喫されてください。

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