【静岡県】徳川家康が過ごした出世城/浜松市浜松城

 浜松市のシンボル「浜松城」「徳川家康の出世城」とも呼ばれ、浜松市民の誇りあり、観光できる人気のスポット。

現在は周辺を近代化した建物と道路に囲まれ、武家屋敷跡など当時の城下町の佇まいはあまりありませんが、城内は当時のように整備されていて櫓から富士山が眺められますが、本丸へ向かう石段の高さも少なく楽に天守閣へ行けます。

もちろん傍らには徳川家康公の像がしっかりあります。家康公が29歳~45歳まで過ごしたお城だそうです。しかし、浜松城から始まったのではなく、前身となるお城がありました。

浜松城築城以前

 浜松城が出来る前には引間城(ひきま/ひくま)というお城が北東側にありました。現在では石碑と神社が御鎮座されています。

浜松城横の交差点のすぐ脇にあります。「曳馬城跡」と刻まれています。正式名称でしょうか。

こちらには元城町東照宮という神社が御鎮座されています。そばに御城印も販売されているようです。

境内には家康公と秀吉公の像があり真ん中に立って記念撮影できるスポットが用意されています。こちらにもセットで訪れたい場所です。

家康公の入城

永禄八年(1565)、今川氏真は引間城の城主飯尾乗竜を駿府に呼び謀殺し、城主が突然いなくなり混乱する家臣たち、城内では内紛まで起こります。それに乗じ家康公は永禄十一年(1568)引間城を攻略、城代に酒井忠次を置き城の改築に取り掛かりました。

翌永禄十二年、掛川城の開城により今川氏真が小田原へ退去した事で遠江の制圧に成功すると、三河との地の利を考え、天竜川を防衛線とする引間城を格好の拠点を考え居城としました。

三方ケ原の戦い

浜松城が出来る前の元亀三年(1572)十月三日、上洛を目指す武田信玄公は25000の兵で甲府を出発、十二月二十二日には三方ケ原に進出、家康公は家臣の反対を押し切って11000(徳川軍8000、同盟している織田軍3000)で引間城を出発しました。徳川軍はいつでも攻撃できるよう鶴翼の陣形、対する武田軍は魚鱗の陣形で激突。

夕刻に始まった合戦の夜、家康軍は三方ヶ原台地の南にある犀ヶ崖という崖で夜営していた武田軍に奇襲をかけました。大きな白い布を橋と見せかけ崖に掛け武田軍を誘います。暗闇の中で武田軍は橋と思い込み、渡ろうとするも次々と崖下に転落していきました。今でも「布橋」という地名が残っています。

奮闘するも結局、徳川軍は大敗し退却。家康公も命からがら引間城にたどりつきました。自分のせいで多くの家臣を失った事を恥じ、この失態を戒め忘れないようにと自分の姿を家臣に描かせました。

浜松駅から北へ向かうと片側一車線の道沿に公園があり広い駐車場があります。こちら「三方ケ原古戦場跡の碑」があります。

浜松城築城

三方ケ原で惨敗した家康公は、改めて強者揃いの武田勢に備え引馬城を含む西南に続く高台一帯を選び大規模な平山城を気づく計画を立て、本多作左衛門を奉行にし「浜松城」を築きました。

ただ現在の天守閣は、昭和三十三年に建てられた復興天守で実際はもっと大きかったようです。当時の図面も、その後の記録も残っておらず、江戸時代後期にはお城は無くなっていたようです。確かに少しぺちゃんこな感じ、もしくはダルマ落としみたいに中間層が抜けているように見えます。それでも昭和中期にしては、よく出来たと思います。

中は資料展示などの他に井戸の展示もありました。

もちろん天守から眺めることができます。天守の天井も豪華に作られています。

奥に富士山、浜松市街が一望できてきっと満足できるでしょう。確かに甲斐国に隣接していることが実感できます。

中の売店ではお土産や書籍、御城印も販売されています。

大名たちに大人気!出世城

 この浜松城を拠点に高天神城を攻略して遠江の平定を実現した家康公。天正十八年(1590)長年暮らした浜松城から関東へ移封した後の浜松城には、秀吉公側の堀尾吉晴公が佐和山城から入城、関ヶ原の合戦以降は、松平忠頼、水野重仲など徳川側の武将が入り、十二家二十二世代を経て明治維新を迎えました。

将軍に出世した家康公、その家康公の居城として人気が当時もあり在城を望む武将が大勢いました。実際、水野忠邦が幕閣最高の老中に出世した他、二十二世代のうち、その半数以上が老中、大坂城代、京都所司代に登用され出世しました。

秀忠公の産湯の井戸

遠州鉄道の遠州病院駅そばにある「家康公の側室である西郷局が二代将軍秀忠公を産んだ時、産湯としてこの辺りにあった井戸水が使われたという伝承をもとに作られた井戸です。出生地とされる場所は二説あり、一説はこの付近。もう一節は浜松城の二の丸の北にあったと言われています。」…。

確かに井戸のように見えますが、どうやら後に製作されたもののようです。ちょっとがっかりですが、ロマンを感じれると思えば。。。

JR浜松駅

複合施設内にあり、さらに地階もあり大きな駅舎というか百貨店の一部といった感じです。

JR駅にはお土産屋さんの他にフードコートもありますので、早速名物の鰻重をいただけます。列車の待ち時間にゆっくり過ごせて便利です。関東風のうな重で、しっとり柔らかで美味いですよ。ちなみにこちらは「越後 叶家」さんのうな重御膳2840円です。

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