日本三大名城②/愛知県名古屋城

 名古屋市にある日本三大名城の一つ「名古屋城」。緑色の屋根の天守に輝く金のシャチホコが有名ですね。もともとは大永五年(1525)に今川氏親公が尾張に対する前線基地として築城した「那古野(なごや)城」がはじまりでした。子の今川氏豊公が城主になりましたが、天文元年に城下で起こった火事の際、織田信秀公に乗っ取られてしまいます。

 そして天文三年(1534)五月十二日、この城内で織田信長公が誕生しました。幼名は吉法師。古渡城へ移った信秀公の代わりに信長公は弘治元年(1555)清洲城へ移るまで居城としました。現在の名古屋城の二の丸あたりの庭園に「那古」の碑が立っています。

 大坂城の豊臣秀頼公と西国大名たちは徳川家康公にとって脅威でした。万が一西国が江戸へ攻めてきた時、それを食い止めるためには東海道の要衝でもあるこの尾張國はとても重要だと考えました。既に尾張國には、子の松平忠吉公の清洲城がありましたが水害などで度々壊れ強固さに不安を感じていました。慶長十二年(1907)に忠吉公が病で亡くなると、九男の義直公を甲府から尾張六十万石へ移し、尾張徳川家の家祖としました。そしてそれに相応しい新城を築城する計画が立てられました。もちろん「名古屋城」の事です。

 お城の石垣がとても綺麗です。築城には、西国の大名たちが多く携わりました。加藤清正公、福島正則公、池田輝政公、加藤嘉明公など豊臣恩顧の大名たちがズラリ。家康公が選んだこの人選には二つの目的があり、一つは徳川家に対する忠誠心を見定めるため、もう一つは西国大名の財力を消耗させるためでもありました。

徳川義直公

 立派な天守閣は五層六階で高さ36メートル。加藤清正公が天守閣の石垣を含め自ら志願し築城を担当し、他の西国大名と速やかに工事を進めました。元和元年(1615)二層の櫓を含む連結天守、本丸御殿を含めにとても立派な「名古屋城」が完成しました。さすが築城の名手清正公です。元和二年(1616)、徳川義直公が御入城されてから尾張徳川家が16代にわたり名古屋城を居城としました。

 城内に加藤清正公の像がありました。こちらは正門から入って百メートルの場所。本丸御殿も復元されており、この日は雪が降った翌日だったので屋根に雪が積もっていました。

少し離れた場所にも清正公像。

これは熊本城そばにある清正公像を同じ姿です。

足元に虎の顔もあるのも同じでした。昭和五十四年と掘ってありました。清正公は尾張國の生まれなので、名古屋でも自慢の武将様です。その他にも肥後熊本のお城の築城や城下町の整備も同時に行っていたので大忙しだった事でしょう。

 こちらは最寄りの地下鉄の駅「市役所前駅」。城門風にアレンジされています。同時進行で城下町の整備も進められました。清洲から神社やお店なども移され御家人たちも名古屋へと移り住み現在の街の基礎となりました。

 入城料を払って城内を散策できますが、老朽化のため残念ながら天守閣へは入れません。

金のシャチホコ

 名古屋城といえば、まず何と言っても天守の屋根にある「金のシャチホコ」ですね。記録によれば慶長小判1940枚を使って作られた超豪華な物だったそうです。そんな代物だったら盗もうと考える盗賊がいたのでは?と考えてしまいますが、実は三人いました。

●一度目の盗難

 正徳二年(1614)、尾張國中島郡の金助という者が二月二十四日に大きな凧に乗って空へ舞いあがり、天守閣の屋根に降りると金鯱の鱗3枚を剥がして逃げました。すごい。

●二度目の盗難

明治九年に名古屋鎮台の番兵だった者が博物館の陳列場に保存されていた金鯱の鱗三枚を剥ぎ取りました。のちに発覚して捕まり銃殺の刑になりました。

●三度目の盗難

 昭和二十年、ミシン工が昼間天守閣へ登り物陰に隠れ潜み、夜になると屋根によじ登り鱗58枚を剥がしました。こちらも発覚して懲役十年の刑に。

 明治維新の後、新政府は名古屋城を破却しようとしましたが、工兵大佐だった中村重遠さんの陳情によって破却は免れました。その後、昭和二十年の戦災にて城内のほとんどが消失されましたが、昭和三十二年から復興工事が始まり、三十四年に現在の大天守・小天守他が完成。数々の盗難に遭いながらも金鯱は4412万円を投じて復元されました。コンクリート製の復興天守ですが、やはり長年の間に老朽があるようです。

施設

●お土産屋さん(正門側)

名古屋城の西側にあたる正門にお土産屋さんがあります。大きな御城印のサンプルが貼ってあります。

西の丸御蔵城宝館

その正門の横にある「西の丸御蔵城宝館」。展示品は少なめですが、名古屋城の歴史を知ることができます。

こちらは反対側の天守閣付近にあるお土産屋さんです。こちらでも御城印やお城カードなどが販売されています。

普通の「御城印」がありますが、高額なものも販売されています。流石に数万円となると手がでませんでした。もちろん普通の御城印300円のもあります。家紋は徳川の三つ葉葵です。

きしめん屋さん

名古屋のご当地グルメですね。城内にも御食事処がありました。色々なきしめんメニューがありました。

お立ち寄りスポット

JR名古屋駅

構内も広く多くの利用客でごった返す名古屋駅。他の私鉄とも含めて乗り換えするので、更に混んでます。外から新幹線ホームが見えるのも特徴かな。

駅弁の種類も量も豊富です。味噌カツ系が多いです。

熱田神宮

 熱田区にあります。最寄りの駅は「神宮前」思っていた以上にとても大きな神社です。御祭神は熱田大神。

本宮前での御朱印です。その他摂社でもいただけるようです。

リニア・鉄道館

JR名古屋駅より名古屋臨海高速鉄道あおなみ線に乗り「金城ふ頭」で降りると目の前にある三角屋根。JR東海さんが運営されている「リニア鉄道館」。

日本の鉄道の歴史が学べます。特徴は何と言っても展示物が実物な事。車両の中へも入れます。各時代の車両が一堂に並んでいてリニアの車両もありました。

中部国際空港(セントレア空港)

空港内に忍者の人形がいる中部国際空港。中の売店では、もちろん名物の手羽先や御翔印も販売されています。

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