毎年お正月に行われる伝統行事「鏡開き」。ご家庭でも神棚に飾った鏡餅を割って、おぜんざいに入れて食べる習慣がありますね。日本武道館でも恒例行事「鏡開き式・鎧の着初め式・武道始め」が、毎年一月の成人の日に行われていて、誰でも入場無料で観覧できます。しかも絵馬やおぜんざいのお土産付きです。
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全国から馳せ参じた武者達は社団法人全国甲冑武具研究保存会の皆様。鎌倉時代の甲冑姿で儀式を行わう姿はロマン溢れますね。当日、その中から大将軍を選び年頭の出発を祝う儀式を行います。ご存知なかった方が多いのではないでしょうか。
鎧の着初め
鎧の着初めは、武家の子弟の元服、武士が初めて着る時などに行う儀式です。甲冑は生命を守る防具。着用者の晴れ着でもあり、先祖伝来の甲冑ならば祖先の武勲にあやかり加護を求める願いでもあります。「吾妻鏡」にも将軍執権の着初め式の式次第が記されています。
●布陣
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武者達は「前軍」「中軍」「後軍」とし三軍に分かれます。中軍を中心として左右に広く布陣します。大将軍は左右に副将軍を従えて中央に腰掛け控えます。
●三献の儀
倍善所役が「打ち鮑(あわび)」「勝栗」「干昆布」(打ち勝ちよろこぶ=縁起担ぎ)を盛った三つのお皿と三つ重ねの盃を配した高坏を持参し、大将軍がこれらを順に肴として、長柄所役の勧める長柄からお酒を受けます。一献ごとにお酒を三度つぎ、三度くり返すので三三九度となります。
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三献の儀が終わると大将軍が神前に進んで、武神に今年の誓いの言葉を奉読します。
鏡開き
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古来の女子は婦人の心として鏡にお餅を供え、武家は甲冑に餅を供えて年頭をお祝いしました。ですから「鎧餅」「鏡餅」「具足鏡餅」などがありました。そしてお正月の二十日にそれらを撤去して食し、歯固めの行事として武家風に祝っていました。江戸幕府もこの行事を重要視して行っていたのですが、承応二年(1653)四代将軍家綱公の時にお正月二十日が二代将軍だった秀忠公の忌日にあたるという事で十一日に改められたため十一日が鏡開きの日となりました。(日本武道館では毎年成人の日に行います)
武道始め
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式が終わると武道始め式です。いろんな武道の熟練者の方々が入場し、技を披露されます。力士さんまで登場していました。
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観覧者には絵馬とぜんざい(持ち帰れるようにインスタントのカップ)が配られます。お正月の初詣がてら歴史絵巻をご覧に寄ってみてはいかがでしょうか。